東東京MAP

We believe that we will be able to make a new world
and value things correctly with the creativities
SUPPORTED by SELF

人に寄り添い、悩む声に答えていく。|東京エンゼル本社

Update: 2021.01.05|CategoryTOPICS, よみもの

東京・足立区大谷田に本社工場を構える東京エンゼル本社。1964年、現代表取締役社長である石塚健司さんの父が特許を取得した「ベビーヘルス」「ソフトベビー」が創業のきっかけとなったという。

 

「紙おむつがなく、サラシが使われていた時代に作られた赤ちゃん用成形布おむつです。吸水性のいい化繊を採用し、吸水性がよくおむつかぶれも抑制でき、洗濯もらくなことでヒットしました。

 

また、動物のキャラクターなどをモチーフにした赤ちゃん用ドーナツ型枕を商品化したのも、うちの父だったんです」足立区に縫製工場を完成させたのち、東京・大阪・福岡に販売会社を設立。ヒット商品を連発し、百貨店を中心に販売網を拡大させてベビー用品メーカーとして成長していく。

 

1970年代前半の第二次ベビーブームでも売上を伸ばしたが、この頃に急増した紙おむつにシェアを奪われはじめるようになる。「新たな事業を展開する必要を感じ、着手したのがシルバービジネスでした。この分野は必ず伸びると確信し、1977年からシルバー向け介護用品の取り組みを開始しました」現在、事業売上の構成比はベビー向けが約1割、シルバー向けが約9割となっているという。

 

東京エンゼルのモノヅクリには、2つの視点が欠かせないと石塚さんは解説する。実際に利用する人、そして購入する人、それぞれの視点だ。
「赤ちゃんは『こういうウエアを着たい』と言えませんし、要介護者の中にも自分の気持ちを言葉にできない方もいます。そうした状況でも、着用した本人にとって本当に着心地がよいものを私たちは提供しなければなりません。一方、衣類を購入するのは親や家族で、そうした方々にとっては洗濯のしやすさや着せやすい作りといった機能性も重要です。こうした2つの視点を察しながら、どちらもが幸せになれる製品を開発していく必要があると考えています」
たとえば縫い合わせ部分に大きな段差がある服の場合、日常生活においては気にならずとも、四六時中横になっている新生児や要介護者にとっては痛みや床ずれを生む原因になりえるため、こうしたリスクを取り除かなくてはならない。採用する素材も、弱い肌を傷つけないような精細さが求められる一方、洋服をつかんで体を移動させることもあるので耐久性も必要だ。
「近年、新たにいシルバービジネスに参入される企業も少なくありませんが、私どもには長年培ったノウハウがあり、本当に望まれている製品を提供できるものと自負しています」


「価格面での競合の多い製品の生産は海外で行っていますが、それも全体の約3割ほど。残りはすべて国内で、資材調達からサンプルづくり、生産まで、本社で完結できる仕組みです。お客様からいただいた声をすぐに形にし、サンプルのフィードバックをいただき、製品化までスピーディーに行うことが可能です」

 

東東京モノヅクリ商店街に参加したのは、新たな介護商品のブランディングのためだ。
「お年寄りが着用する室内着の商品化を進めています。特に想定しているのが、施設内での着用です」
施設利用者が着用する衣類は、人によっては施設のスタッフが選ぶこともあるが、どうしても他のケアが優先になるため、服装まで気にしていられないというのが本音だからだ。
「選ぶ側にとっても着る側にとっても、幸せになれるような室内着をお届けしたい。そこで東東京モノヅクリ商店街を通じてデザイナーを招き、上下でどの組み合わせにしてもコーディネートが様になるコレクションを展開したいと考えました。制服と違って毎日同じじゃないから気分も変わるし、気持ちに張りも生まれる。介護する側も、その人の個性をもっと感じられるようになるでしょう。洗濯のしやすさや着せやすさといった機能性を備えつつ、“着飾る”衣類としての価値を高めたいのです」

 

顧客の声を大事にする取り組みの中から、次の一手となりえる商品も生まれた。
「現在、ハンデキャップを持った子供たちに向けた衣類やグッズの開発も進めています」
15年ほど前、車椅子で生活する肢体不自由のご家族のお声がきっかけだという。
「基本的なノウハウは共通ですが、車椅子に座っている状態での負担を軽減したりチューブ治療がしやすいよう前開き構造にしたりと、さまざまな工夫を凝らしています。こうした子供たちに合う衣類は驚くほど少なく、パジャマで外出せざるを得なかったり、一般の衣類を着て苦しい思いをしたりと、不便さを強いるものでした。私たちが作る製品が、それらを少しでも取り払う手伝いになればいいなと思っています」
新たな事業の柱となるかはまだわからないが、息の長い事業にしていきたいと石塚さんは話してくれた。これからも顧客の声を大切にし、悩みを解決するような衣類・用品を提供していく。

 

INFORMATION

株式会社東京エンゼル本社  

〒120-0001 東京都足立区大谷田5-4-9

03-3606-7177(代表)

https://angelgroup.co.jp/

 

POPULAR POSTS

    まだデータがありません。